子どもの足は成長でどう変わる?足裏とバランスの関係をやさしく解説

子どもの足は成長でどう変わる?足裏とバランスの関係
「うちの子は土踏まずが少ない気がする」
「よくふらつくけれど、足に問題があるの?」
子どもの足を見て、このように心配になる保護者の方は少なくありません。
けれども、子どもの足は成長の途中です。大人の足を、そのまま小さくしたものではありません。足の形だけでなく、立つ、歩く、走るといった動きや、体のバランスを取る力も、少しずつ育っていきます。
この記事では、子どもの足と成長、土踏まず、バランスの関係を、世界の論文や公的機関の情報をもとに、できるだけやさしく説明します。
先に大切なこと
子どもの足が平らに見えても、すぐに「悪い足」とは限りません。
幼い子どもは、足の骨や関節がやわらかく、足裏に脂肪も多いため、土踏まずが目立ちにくいことがあります。研究でも、成長途中の子どもに、やや平らな足の形が多いことが確認されています。
大切なのは、足の見た目だけではなく、次の点を一緒に見ることです。
- 足やかかとに痛みがないか
- 左右で大きな違いがないか
- 足が硬く、動かしにくくないか
- 歩くことや遊ぶことを嫌がっていないか
- 靴が足に合っているか
子どもの土踏まずは、成長しながらできていく
足の内側にあるカーブを「土踏まず」または「足のアーチ」と呼びます。
このアーチには、立ったときに体を支えたり、歩いたときの力を受け止めたりする役割があります。ただし、幼いころから大人と同じ形が完成しているわけではありません。
子どもの足を調べた研究では、年齢が上がるにつれて、足が少しずつ平らではなくなる傾向が見られました。3歳から15歳までの健康な子ども3,217人を調べた国際研究でも、足の形は年齢とともに変わることが報告されています。
米国整形外科学会も、多くの子どもは土踏まずが少ない状態で生まれ、成長して歩くなかで足裏の組織が引き締まり、少しずつアーチが形づくられると説明しています。土踏まずが目立ち始める時期は5歳以降になることもあり、個人差があります。
つまり、幼い子どもの足が平らに見えることは、成長の一場面である可能性があります。

バランスを取るのは、足だけではありません
まっすぐ立つためには、足の力だけでは足りません。
体は主に、次の情報を組み合わせてバランスを取っています。
1. 目から入る情報
「床はどこか」「体は傾いていないか」を見ています。
2. 耳の奥にあるバランスの器官
頭や体が、どちらへ動いているかを感じます。
3. 足裏、筋肉、関節から入る情報
「どこに体重がかかっているか」「ひざや足首がどのくらい曲がっているか」を感じます。
子どもの脳は、これらの情報を上手にまとめる練習を続けています。5歳から12歳の子どもを調べた研究では、姿勢を保つ力や感覚の使い方は、年齢とともに発達することが示されました。
別の研究でも、4歳から12歳の子どもでは、年齢が上がるにつれてバランス能力が高くなる傾向が確認されています。
小学生の間も、バランス感覚は育っている途中です。大人より少しふらつくことがあっても、それだけで足に異常があるとは限りません。

成長すると、体の「使い方」も変わる
成長期には、身長や足の長さ、体重、筋肉のつき方が変わります。
たとえば、短い期間に身長が伸びると、昨日までの体と今日の体では、手足の長さや重心の位置が少し違います。子どもは、その新しい体を動かす方法を練習し直しています。
そのため、成長期には一時的に動きがぎこちなく見えたり、スポーツでタイミングが合いにくくなったりすることがあります。ただし、成長の速さもバランス能力も一人ひとり違います。
「同じ年齢の子と比べてどうか」だけではなく、その子自身が以前よりどう変わったかを見ることが大切です。
子どもの足とバランスを育てる4つの習慣
1.いろいろな動きを経験する
走る、止まる、跳ぶ、しゃがむ、片足で立つ、方向を変える。
このようないろいろな動きは、足裏や筋肉、関節から入る情報を使う練習になります。
世界保健機関(WHO)は、5歳から17歳の子どもに対し、1週間を通して平均すると、1日60分以上の中強度から高強度の運動をすすめています。
難しいトレーニングでなくても構いません。鬼ごっこ、ボール遊び、縄跳び、公園遊び、歩いて出かけることなども、体を動かす時間に含まれます。
2.靴が足に合っているか定期的に確認する
子どもの足は成長が早く、本人が「きつい」とうまく伝えられないことがあります。
靴を確認するときは、次の点を見てみましょう。
- つま先を少し動かせる
- 足の横幅が押しつぶされていない
- かかとが大きく抜けない
- 脱いだあとに赤い跡やこすれがない
- 歩いたときに靴の中で足が大きく動かない
幼児期は特に足の成長が早いため、米国小児科学会は靴の合い方を月に1回ほど確認するよう案内しています。学童期も、靴が傷むまで待つのではなく、定期的にサイズと幅を見直しましょう。
3.足の形だけでなく、痛みと動きを見る
土踏まずが低く見えても、痛みがなく、元気に歩いたり走ったりできている場合は、治療が必要ないことが多いとされています。
反対に、次のような場合は専門家に相談しましょう。
- 足、かかと、足首の痛みが続く
- 足が硬く、つま先立ちをしても土踏まずが現れない
- 片方の足だけ形や動きが大きく違う
- 痛みや疲れで歩く、走る、遊ぶことに支障がある
- 腫れや強い赤みがある
相談先は、小児科、整形外科、小児整形外科などです。
4.一度の結果だけで決めつけない
足の長さ、足幅、土踏まず、体重のかかり方は、成長やその日の姿勢によって変わります。
足圧測定では、立ったときに足裏のどこへ体重がかかっているか、左右の使い方に違いがあるかなどを見える形にできます。ただし、足圧測定だけで病気の有無を診断することはできません。
測定結果は、痛みの有無、靴の状態、歩き方、運動量、成長の変化と一緒に見ることが大切です。
子どもの扁平足にインソールは必要?
すべての子どもの扁平足に、インソールが必要なわけではありません。
痛みのない柔らかい扁平足は、成長の範囲に含まれることが多く、形を変えるためだけの治療は通常必要ないとされています。
一方で、足の痛みや疲れが続く場合には、医師や足の専門家が、靴の見直し、運動、ストレッチ、インソールなどを検討することがあります。
インソールは「土踏まずを無理に作る道具」と考えるのではなく、必要な場合に、足の負担や歩きやすさに配慮するための選択肢の一つとして考えることが大切です。
家庭でできる簡単な見守り方
特別な道具がなくても、子どもの足の変化は観察できます。

足を見る
お風呂上がりなどに、足裏、指、かかとを見ます。赤み、まめ、皮むけ、左右差がないかを確認します。
靴を見る
靴底の減り方や、中敷きのへこみ方を見ます。極端な片減りや、つま先が当たった跡が続く場合は、サイズや歩き方を確認します。
動きを見る
まっすぐ歩く、軽く走る、両足で跳ぶ、片足で少し立つなど、普段の遊びのなかで見ます。うまくできるかを採点する必要はありません。
子どもの言葉を聞く
「どこか痛い?」「靴の中で指は動く?」と、簡単な言葉で聞きます。
痛みがあるのに我慢させたり、ほかの子と比べて練習を増やしたりする必要はありません。
まとめ|成長中の足は、形と動きを一緒に見よう
子どもの足は、成長とともに形が変わります。土踏まずが目立ちにくい時期があり、バランス感覚も小学生の間に少しずつ育っていきます。
大切なのは、足の形だけを見て「良い」「悪い」と決めないことです。
- 痛みがあるか
- 元気に歩いたり遊んだりできるか
- 靴が足に合っているか
- 左右で大きな違いがないか
- 成長とともにどのように変化しているか
このような点を見ながら、子どもの足を長い目で見守りましょう。
気になる痛みや動きにくさがある場合は、自己判断で無理に運動をさせたり、足の形だけを直そうとしたりせず、医療機関や専門家へ相談してください。
よくある質問
子どもの土踏まずは何歳ごろにできますか?
個人差があります。幼い子どもは足が平らに見えやすく、5歳以降に土踏まずが目立ち始める場合もあります。足の形は最初の10年ほどの間にも変化します。年齢だけで判断せず、痛みや足の動きも一緒に見ましょう。
子どもの扁平足は治したほうがよいですか?
痛みがなく、足が柔らかく、普通に歩いたり遊んだりできている場合は、治療が必要ないことが多いとされています。痛み、硬さ、左右差、活動への支障がある場合は医療機関へ相談してください。
バランスが悪いのは足のせいですか?
足はバランスに関係しますが、足だけが原因とは限りません。目、耳の奥、足裏、筋肉、関節、脳が協力して姿勢を保っています。子どもは成長しながら、この仕組みを上手に使えるようになります。
子どもの靴はどのくらいの頻度で確認すればよいですか?
幼児期は足が早く成長するため、月に1回ほど合い方を確認する案内があります。学童期も定期的に、つま先の余裕、横幅、かかとの抜け、赤みやこすれを確認しましょう。
足圧測定で何がわかりますか?
立ったときの足裏への体重のかかり方や、左右の違いを見える形で確認できます。ただし、測定だけで病気を診断するものではありません。痛み、靴、歩き方、年齢、成長の変化と合わせて考えることが大切です。
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